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ツバメは渡り鳥であり、冬を南の越冬地である台湾、フィリピン、ボルネオ島北部、マレー半島、ジャワ島などで過ごした後、春になると日本などに飛来し初夏にかけて営巣、ヒナを育て、秋になるとまた南の国に帰って行く。

南国で一年中過ごしていればいいのに、なぜ小さな体で海を超えて遥か遠い日本まで来るのか?

答えのヒントは、日本は営巣地で、南国は越冬地であるということ。

暑い南国の環境では、散った葉っぱや倒れた木は、あっという間に微生物によって分解されてしまい、土になる前に全て分解されてしまうのが理由と考えられる。
熱帯雨林などでは、木が高い密度で茂っているにも拘らず、その土壌は痩せている。これは、熱帯雨林の木を伐採すると、その回復に長い年月がかかることで実証される。痩せた土壌では、木が生長しようとしても栄養分が少ないからである。

それに対して、日本などの寒い地域では、散った葉や倒れた木はなかなか分解されない。低い温度によって、有機物を分解するための微生物の増殖が制限されるからである。分解されずに地表に積もった有機物は、肥沃な土壌を形成する。しかも、熱帯雨林の木が常緑樹中心で一気に落葉しないのに比べ、高緯度地域の木は広葉樹が中心で、広葉樹は秋になると一斉に落葉し大量の有機物を地面に供給する。秋が終わり冬の間は有機物はますます分解されず保存される。そして、長い冬が終わり、春がやってくると状況は一変し、冬の間保存されていた地表の有機物は豊かな栄養源となり大量の虫を発生させる。
因みに、日本より北の寒過ぎる国は、落葉しない針葉樹が多く、寒くて虫も少ないので適さない。

何故、春にツバメは北の日本にやって来るのか?
その答えは「春から夏に大量の虫が発生する」からである。
南国は平均的に虫は多いが、南国の留鳥となれば、虫を食べ尽くしてしまう可能性もあり、子育て時に主に食べやすい幼虫などが足りない。日本は春から夏に幼虫が毎年大量に発生するので都合が良いわけだ。

ツバメは、子育てに大量の虫が必要になる。繁殖のために虫を求めて、日本にやって来ている。そして、子育ても終わり、夏も終わる頃、日本に虫が少なくなってくると、平均的に虫の多い南国へ帰る。いやいや、日本で生まれるので、故郷は南国ではなく日本であり、秋冬は南国で過ごし、春に日本に帰るという表現が正しいだろう。