コレクションの殆どを紹介してきたが、お気に入りであるのに、まだ記事にしていなかった腕時計がある。

フレデリック・コンスタント クラシック マニュファクチュール FC-710 MC4H6

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同社の自社製ムーブメント FC-710 を搭載したこのモデルは2年近く前にデザインが気に入って購入した。
フレデリック・コンスタントは好きなブランドである。

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格式を感じるローマ数字、流麗なブレゲ針、緻密なギョーシェ彫りの美しい文字盤、丸みを帯びたケースとラグ、ドーム型サファイアガラス、たまねぎ型リューズは、とてもクラシカルで小生の好みを具現化してくれている。

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フレデリック・コンスタントはスイスのジュネーブにある小生が最も好きな腕時計メーカーで、多くのスイス高級時計がムーブメントをETA社の物を採用している中で、ロレックスやセイコーのようにムーブメントから自社で製作している数少ないマニファクチュールでもある。
フレデリック・コンスタントほどの精密かつ複雑なムーブメントを正確に製造できるメーカーは、スイス国内でも殆どない。老舗ブランドが敬重される時計業界にとって、フレデリック・コンスタントの存在は革新的と言えるだろう。

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ムーブメントには青いネジ、美しいコードジュネーブ&ベルラージュが施され、ローターにはヌキが施されている。
この自社製ツーブリッジ式自動巻きムーブメントの日差は、+1秒前後 (平置き・タイムグラファーにて測定)と非常に高精度に時を刻む。本日、着用状態で日差を確認してみると±0秒で稼働しており非常に優れたムーブメントである。機械式でここまで高精度なムーブメントは少ないだろう。
日差について詳しく書くと、手巻きでフルに巻くと1日後は±0秒で、その1日後は-3秒、その後は-3秒で安定する。手で巻くと少し日差が生じるが自動巻きで安定するとクォーツのような精度で稼働する。即ち手巻きでフルに巻いた後、+3秒からスタートすれば2日後には+-0秒で安定するようになる。

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高品質な時計の生産地として高名なスイスの中でも最も権威あるジュネーブで生産され、文字盤には生産地を示す「GENEVE」(ジュネーブ)の文字が表示される。
文字盤に「GENEVE」(ジュネーブ)の文字を表示するためには、時計の組み立て検品・製造の50%以上をジュネーブ市内で行わなければいけないという規定があり、厳正な管理下の元、初めて可能になる表示でありクオリティへの拘りを持ったブランドの証明でもある。

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オリジナルの黒革ベルトから自分好みの茶色の革ベルトに交換してみた。
ベルトを交換すると時計の雰囲気も変わり、茶色の方がよりクラシカルな印象を受ける。
6時位置にはポインターデイトが配置され、そのインダイヤルにもギョーシェ模様が彫られるなど隅々にまで丁寧な仕上げが施され、長く愛用したくなる美しい時計だと思う。
ポインターデイトを備えた腕時計は多いが、殆どが小さく数字が読み取り難い。FC-710 MC4H6 のそれは比較的大きいので実用的である。

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械式時計のムーブメントを作ることのできるメーカーは世界中でもほんの一部だけで、デザインの立ち上げからムーブメントを初めとする部品や組み立てに至るまで、全て一貫して自社で行っているメーカーは「マニュファクチュール」と呼ばれている。
因みに、ムーブメントメーカー(ETAなど)からムーブメントを購入して時計を組み立てるメーカーは「エタブリスール」と呼ばれる。

マニュファクチュールの高品質な時計は数百万円するイメージだが、フレデリックコンスタントは歴史が浅いため高額で売ることができない理由から、30万円~の価格設定で非常にコスパが高い。

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FREDERIQUE CONSTANT FC-710 MC4H6

ケース径:42㎜
厚み:約11.6mm
重量:役92g
ラグ幅:22mm
風防:球面サファイアクリスタル
パワーリザーブ:42時間
価格:約30万円

30万円と言うと、安くもないし高くもない微妙な価格設定だが、コスパは他のスイス製高級腕時計に比べて非常に高いと思う。


ローズゴールドの FC-710MC4H4 と FC-710MC4H6
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創業者はブレゲの文字盤職人であったようで、デザインはブレゲによく似ていて、ダイヤルのカッティング技術、文字盤のエナメル仕上げなど非常に凝っている。
好みもあるだろうが、小生はロレックスやオメガのようなデザインより、フレデリック・コンスタントのようなクラシカルなデザインの腕時計が好みである。
同社は最近シチズンホールディングスの傘下に入ったので経営も安定し、末永く付き合えるブランドだと思う。

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近年「ミドルレンジ」と呼ばれる中価格帯の腕時計が注目を集めている。理由は価格に対してクォリティが急激に向上しているからだろう。100万円以上の「アッパーレンジ」に属する時計だけが持っていた品質に迫ることができているのは、製造技術の飛躍的な進歩で〝技術の民主化〟と呼ばれたりする。