プアマンズGSについては以前に書いたことがあるが、ザ・プアマンズGSとも言えるSARB033について殆ど書いていなかった。

今さらではあるが、セイコー メカニカル SARB033
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この製品はすでに廃盤となっているが、現在も僅かに新品が出回っており、入手するラストチャンスである。
SARB033は1年以上前まで実売価格3万円台で買えていたのだが、最近のセイコーは値上げに走っていて、安価な機械式でこのような良心的な製品を望めなくなってしまった。アルピニストSARB017同様にSARB033はセイコーの中価格帯での名機なので、買っておいて損はしないと思う。

ロングセラーでレビューもたくさんあるので詳細は書かないが、最近の中価格帯以下では手抜きばかりしているセイコー製品とは違い、丹念に作られている。勿論、GSレベルを期待すると実物を見てがっかりすることになるが、価格差が大きいのでGSと比べてはいけない。しかし、腕時計に興味がない人にはGSと変わらなく見えると思う。

マニアの間では夜光のある針と菱形が付いている秒針を嫌い、夜光のないドーフィン針と普通の秒針に交換する人もいるが、針の交換はお勧めしない。と言うのはインデックスの夜光は残るので暗くなると間抜けになってしまうからだ。ベルトをタイコノートの上質な物に交換したり、ドーム型のサファイア風貌に交換するのは良いと思う。

現在のセイコーで同様のものを探すと、メカニカルシリーズはなくなってプレサージュに統合されており、GSっぽく見えるのはSARX057しかなく、定価で税込み14万円以上もするので、もうプアマンズではない。
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このSARX057、ムーブメントは同じ6R15なのに、値段が高過ぎると思う。ケースは大き過ぎるし、チタンにコーティングがされているので全く磨けないし、価格ほどの価値はないと思う。仮に上位の6R35のムーブメントが載せられていたとしても7万台が相当だろう。これより下位のSARX035は針が正当なドーフィンではないのでプアマンズGSとは呼び難い。

では、現在のプアマンズGSと言えるのは、ネット限定販売されている安価なSZSB012だろう。
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SZSB012は本当に惜しい製品だと思う。針の形状が上のプレサージュより良く素晴らしいレベルなのだが、残念ながらムーブメントが精度が悪く不安定な4R35であるのと、ケースやベルトがチープであり、折角の球面ガラスもサファイアではなくがミネラルガラスになっている。
SARB033との写真と比べると分かると思うが、ケースの質感に雲泥の差がある。SARB033にSZSB012の針が付いて球面サファイアなら最高なのだが、セイコーは戦略的にそういった製品を作ってはくれない。
しかしながら、このメカニカル、買いかと言えば、買い!だと思う。やがて品切れになり、この手のデザインが大好きなファンが多いので、中古市場の価格は落ちないと予想されるからだ。

以上、最近のセイコー製品でGSっぽいのを探してみたが、SARB033がいかに良い時計だったかが分かる。
SARB033、セイコーが安価であっても真面目に作った時計で、このような製品はもう出ないかもしれない。
lkopng
因みに、6R15の後に続くB、C、Dについては、最新のDだから改良されて精度が良いとネットで書いている人がいるが、このような素人の根拠なき意見を参考にしてはいけない。部品に汎用性を持たせるために穴を開けたり、無くしたりしてCやDになっただけで、性能は全く同じである。詳細を書くと、6R15A、6R15B時代のムーブメント固定用穴が残されていたのが6R15Cで、6R15A、6R15B時代の穴を無くしたのが6R15Dである。更に言えば、6Rはゼンマイのパワーリザーブを長くしただけで4Rと基本的に同じである。