数日前にメルセデス・ベンツの新型Cクラスが発表された。

初見ではカバかカピパラの顔を連想して失笑を禁じ得なかったが、慣れるとアンパンマンに出てきそうなキャラの顔付で可愛くも見えるようになった。
電動車なのでバカでかいグリルは塞がっていて機能はない。このグリルに拒否反応の声が出ているが、大昔のメルセデスは下のようなデザインだったので、メルセデスのアイデンティティと言えなくもない。



インパネ・ダッシュボードは全面液晶で、これは運転に集中できないし、助手席の人には液晶ではなく風景を見てもらいたいと個人的には思う。指紋がべたべた付くし物理ボタンがないので操作し難そうであり、また電装の弱いメルセデスなので壊れたら色んな機能が使えなくなるだけでなく、修理代も高そうである。車内はアンビエントライトがあちこち光り、送風口まで光らせて、おまけに天井は無数の星が光るという。昔のラブホじゃあるまいし、デコレーションは下品で安っぽく感じる。かつてマーケティング主導を無視し「最善か無か」と豪語していたメルセデスは、時代の流れの中に何処かへ消えてしまったようである。

現在のメルセデス・ベンツの筆頭株主は中国の北京汽車集団で、二番目の大株主も中国の自動車メーカーであり、中国資本に経営をある程度握られている。元々ドイツBOSCH社製電装品の品質が悪く故障が多かったベンツだが、現在はバッテリーや制御ユニット等の主要な部品を中国に依存しているので、更に品質が落ちているそうだ。かつて世界の頂点に立つ憧れのブランドがデコトラよろしくあちこち光らせて、乗るのが恥ずかしいブランドになってしまったのが残念である。中国で金儲けしようとすると全てを奪い取られてしまう。
メルセデスの方向性は下のようなデザインとデコレーションになるのだろうか?

日本人と中国人は好みの差こそあるがブランド好きでドイツ車が好きである。ところが車好きの多いアメリカ人は目が肥えていて、メルセデスやBMWは全然売れていない。
下は2024年の米国内の販売台数実績。

下は現行の最高級車である7シリーズで、これもデカい豚の鼻みたいなグリルが光るようになっている。
フラッグシップはもっとオーセンティックなデザインにしてほしいと個人的には思う。
目立つデザインの顔が中国のマーケティングで有利とされ、中国人にウケが良い押しの強いデザインになったそうである。
最近、BMWのデザイン責任者が変わり、流石にデザインの迷走に危機感を覚えたようで、今後はシンプルでミニマルなデザインに回帰すると言っていた。そんなことで最近発表された新しいデザインは下で、1960年代頃のデザインに似た、小さな縦長のキドニーグリルになっている。

メルセデス・ベンツの通期決算は、最大市場である中国での販売不振で大幅な減益を記録している。ポルシェは中国への投資に見合う販売台数を得られず経営危機に陥っている。各社共、中国向けのEVに走り、コスト削減のために中国製部品の採用を拡大した結果、ブランドの根幹であった信頼性が揺らぎ、具体的な故障率の比較でもその差は歴然としている。米コンシューマー・レポートの2025年版信頼性調査では、1位のトヨタや2位のレクサス(これもトヨタ)に対し、メルセデスは最下位に近い19位と大きく水をあけられている。

中国の都市を見ると資源の無駄遣いを感じる、現地の人は豊かさを味わっているのだろうか。

美しいと言えば美しいが、照明が派手になればなるほど二流三流の都市に見える。ヨーロッパの中世を偲ばせる厳かな街並みのほうが好きだ。
マンションまで光らせる中国。

何処よりも厳かだったドイツの自動車メーカーが、中国に媚びる時代が来るとはね、お金のために伝統と哲学を捨てたブランドの黄昏を感じる。
日本の自動車がそうならないように願うばかりだ。


コメント
コメント一覧 (10)
スイッチ類は安全性に関わる部分なので、触っただけでどこに入っているかわかり、クリック感で確実に押したことがわかることが重要なんですがね。安全にうるさいはずのメルセデスがこういうことするのはガッカリですね。
中国で売りたいならオプションでメッキを金ピカにして翡翠色のボディを選べるようにすればじゅうぶんなのに。
月野 星也
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地元銀行の頭取専用車が、まさにこの時代のベンツだったのです。センチュリーやプレジデントが並ぶ財界人の集まりの中でも、そのベンツはひときわ存在感がありました。
いま、その銀行に勤務している友人に聞いてみたところ、当時の車両は所在不明とのこと。バブル崩壊後の混乱の中で、どこかに埋もれてしまったのかもしれません。時代の移り変わりを感じさせる一件でした。
月野 星也
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月野 星也
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高名な建築家が 確か 都市の窮極の目的は廃墟になる事だ と
月野 星也
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電気自動車の進化の最終駅、それは電車になることなのでしょうか。
かつての「最善か無か」の面影はどこへ…。
同社が追求しているのは「経営上の最善」でしょうか(笑)。
月野 星也
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