1ケ月程前に新車・中古車に限らず自分が買える予算内で一番好きな車、また歴代クラウンの中で一番好きな210系後期型のロイヤルサルーンを購入した。
昭和の時代から長く続いたロイヤルシリーズの最後の型になる。
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ロイヤルサルーンはクラウンの王道であるが、公用車、警ら車、またオジサン臭い車感が強い。しかし、トランクスポイラー付きを選び、ホイールをターボ用のものに交換しインチアップしたことが大正解で、オヤジ臭さはかなり払拭されたと思う。

左が元のホイールで右が交換したホイール(共に210系クラウン後期用純正ホイール)。
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1インチ違うだけで随分大きさが違って見える。インチアップすると重量も増えて良いことは殆どないが見栄えは大事である。純正オプションにあるサイズ内でのインチアップなので無理はしていない。

トランクスポイラーと交換したホイールで、より自分好みのスポーティセダンになった。後期型ロイヤルサルーンは数が少ない上に、このスタイルにしたものは殆ど存在しないだろう。17インチの55タイヤはクラウンにベストマッチだと思う。ホイールが車全体の印象に大きく影響することが分かった。
クラウンに20インチのホイールを履いている人もいるようだが、18インチが限界でそれ以上のサイズは寧ろカッコ悪くなると思う。
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210系ロイヤルサルーン後期型に乗って直ぐに体感したのは、ボディ剛性の高さとシートの良さであった。走り出すと重い感じがする。これは重く遅いという意味ではなく、メルセデスに乗った時に感じる剛性感からくる重い感じと似ている。
驚いたのはスポーツ志向に味付けされたアスリートと異なり、ロイヤルは足回りがフワフワしてロールが大きいイメージを完全に覆されたことである。殆どロールしないフラットな乗り心地はドイツ車的である。これはホイールをインチアップし、サイドウォール剛性が高いミシュランタイヤの空気圧を若干高めにしていることもあるだろう。一般的にミシュランはトレッドが硬くサイドが柔らかいと言われているが、自分の印象ではサイドの剛性、特にホイールとの接合部の剛性が高い。コンフォート系のミシュランタイヤでもブリジストンのポテンザに負けない剛性があり腰砕けしない。但し、特にロイヤルサルーンのステアリング特性にクイック感はなく、常にアンダーステアなので峠道を攻めるような車ではない。

200系アスリートは道路の継ぎ目や荒れた道路で脚回りがドタバタし路面のガタガタと伝えてきたのに対し、210系ロイヤルサルーンは路面の凹凸の振動が見事なまでに抑えられ、悪いインフォメーションを殆ど伝えてこず、道路が舗装し直されたのかと思った程の違いがある。そんなこともあって硬い感じがするのに角が無く乗り心地自体はいい。室内の静穏性は200系並みかそれ以上でとても静かである。

200系はノーズとフロントウインドウの傾斜が大きい。
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ミシュランタイヤのせいかもしれないが、210系ロイヤルは硬めの乗り心地でスポーティさが前面に出て、ロイヤルらしいソフトタッチな印象が薄くなっている。ノーマルモードでも200系のアスリートより硬く感じる。イメージしているロイヤルらしい乗り心地を求めるなら200系ロイヤルのほうがいいかもしれない。因みに、色々込みで800万円の現行クラウンセダンの試乗とした時に市街地走行で突き上げ感や変な揺れ(リアのフワフワ感)を感じることがあり、意外や旧型である210系のほうが乗り心地が良い。最近の車はホイールが大き過ぎてサスペンションが負けている感じがする。その辺はマイナーチェンジで改良されるだろう。

足回りが想像していたより遥かに硬い印象だったので、サスペンションが社外品に交換されているのかもしれないと疑い、タイヤを外してサスペンションの型番の確認までした(下の写真)。
確認した結果、ロイヤルサルーンに純正で装着されているトキコの型番に相違なかった。
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乗り心地で足が硬いと感じるのは、サスペンションだけでなく、ボディのねじれ剛性の高さとタイヤのサイドウオール剛性の高さがそう感じさせていると思われる。
200系では感じなかった塊感は、国産車より多くスポット溶接がされているメルセデスに乗った時の感覚に似ている。ボディ剛性は少なくとも2005年頃までの古いメルセデスよりは高いが、ドア周りの剛性に関してはメルセデスのほうが段違いに高い。但し、足回りの耐久性はメルセデスのほうが低い。210系では高張力鋼板の割合が多くなり、主要骨格部に使われる超高張力鋼板は、180系で590MPaだったのが200系で980MPaになり、210系では1500MPaまで高められている(普通の鋼板の強度は300MPa前後)。また後期型ではアンダーフロアに4点の筋交いのようなプレースが装着され、90箇所以上のスポット溶接を追加、更に構造用接着剤の多用でボディ接合剛性が高められ、もはや前期型とは別物のボディになっている。因みに前期型でも200系よりスポット溶接が増やされ剛性は高くなっており、高張力鋼板や超高張力鋼板が多く使われ、当該年度の衝突テストでは最優秀賞を獲るくらいに骨格は強くなっていた。後期型はボディのねじれ剛性が大幅にアップし、改良されたサスペンションが設計通りに動くことで走りの質感が高くなっている。

国産車のボディ骨格の強さは衝突テストでドイツ車より高得点を得ている車種も多い。しかし、ボディの接合剛性に差があり、多くの国産車はスポット溶接が少なく、多くのドイツ車は昔から念入りにスポット溶接がされている。しかし、近年では溶接以上に強度がある構造用接着剤が多用されるようになり、国産車の接合剛性は飛躍的に高くなっている。現行のクラウンは構造用接着剤がかなり多く使われており、接合部の剛性が210系より更に高くなっていて、試乗した際にドイツ車並みにボディ剛性が高く感じた。車種にもよるかもしれないが、ドイツ車のボディが強く日本車が弱いというのは過去の話である
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ボディ形状は前から見ると200系アスリートはスポーツカーのようで、210系ロイヤルサルーンはよく言えばクラウンらしい品格と威厳があり、悪く言えばふてぶてしい顔つきである。後ろから見ると200系は曲線的で210系は直線的である。自動車はお尻が大事とよく言われるが、小生は210系の端正なリアビューが大好きである。全体的に200系はふっくらとして女性的で210系は筋肉質な男性的なエクステリアに感じる。

サイドを見ると200系は窓の丈が短めでドアが厚く全体的に丸みを帯び現代的である。Aピラーを前方に移したことでフロントウインドウが傾斜し、ボンネット先端もスラントしてスポーティなデザインが採用されている。短めに見えるボンネットと若干下がり気味のトランクが、小生の目にはセダンとしては若干バランスが悪く映るが、人により200系のほうがカッコよく見えるだろう。一方の210系は運転のし易さを重んじて窓の丈を縦に長くし、Aピラーが後方に12cmも下げられたことで運転席からの視界が格段に良くなっている。しかし、200系のほうがより運転しやすかった印象がある。210系はCピラーの前にクラウンには珍しいキックバックありカッコ良く見える。またボンネットの先端までが長く、トランクも下がっていないのでフロントからリアに流れるラインが200系より安定感のあるスタイルになっていると思う。

車高は210系のほうが僅かに低い。
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210系ターボ用の17インチホイールが、200系の18インチホイール並みかそれ以上に大きく見えるのは、目を錯覚させるデザインの妙だろう。因みにスポイラーやホイールは純正に拘り社外品を使わないのが小生の拘りで、ましてや車高を下げたりは絶対にしない。
フロントタイヤからノーズまでのオーバーハングが短いのはFFにはできないFRの特権であり、フロントタイヤの切れ角の大きさも伴って、最小回転半径は小柄なプリウスより小さいので、大きなボディの割には乗りやすい車だと思う。ただ、トランクがありボディが長いので駐車時は気を遣うことになる。

インテリアは200系アスリートは全体的にシックで、210系はロイヤルサルーンなので華やかで、歴代クラウンで最も高級感がありデザインも優れている。
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210系のシートの出来は素晴らしく、座り心地やホールド性が過去に乗った車で最高に良い。シートは210系のほうが硬くなっている。素材も上質だが座面と背もたれが200系より長くなったので、180cm近い小生が座ってもヘッドレストを伸ばす必要がない。過去ヘッドレストを伸ばさずに乗った車はなく初めての経験なので驚いた。逆に小柄な人には大き過ぎるかもしれない。室内が200系より若干狭く低くなったのでシートが抉られた形状になっており、このことで大腿部とシートの間に隙間ができなくなった点が良いと思う。あまり語られることがない国産車の座面の短さも、210系になり改善されている。小柄な人は気にならない部分だろうが、身長が高めな小生には嬉しいポイントである。座面が長く膝付近まで支えてくれると運転も楽である。
シート剛性が200系より高めれれているのは座った瞬間に分かる。また後方から追突された時にシートが沈み込み、頭や背中を支え頸部損傷を軽減する機能が付いている。
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ボディは200系より幅と長さが少し大きくなっているが、安全対策のためか室内は200系より少し狭くなっている。しかし、シートは前後共に座面と背もたれ、また幅も210系のほうが大きくなっている。後部座席に小生が座っても、女性が座る位置に合わせた助手席シートまで拳が3つ入るし、足先の空間は200系より広くなっている。頭の上の空間は200系よりは狭いが現行のクラウン各種より余裕がある。200系の後部座席は背の高い男性が座ると座面先端と膝裏に隙間ができていたが、210系になり座面が前席同様に抉られたため小生が座っても隙間ができない。地味なことだが太ももから膝にかけての部分が座面から浮くと安定して座れないので重要なポイントだ。後部座席も前席同様にホールド性が高く、シートの素材の良さもあって210系後部座席の座り心地は最高レベルだと思う。クラウンは後ろに乗った方がいいかもしれない。

中央の斜めのラインがデイライト。
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200系アスリートは綺麗な道路ではV6エンジンのせいもあって気持ちがいい走りをする。いつまでも運転したくなるほどだ。うねりのある路面での200系は猫脚のようにしなやかで心地良く、210系はボディ剛性が高いせいかフラットを維持し何もなかったように通過する。ドイツ車に慣れた自分は210系の乗り心地が好きだが、一般的には200系のほうが乗り心地が良いのではないかと思う。

一定の速度まではモーターによるアシストがある210系のほうがトルクフルで速いが、高速域はV6の200系のほうが伸びる感じがするし奏でる音もいい。因みに、210系ハイブリッドは17馬力アップしており、メーカーはV6の3000㏄を上回る加速性能と言っている。確かに直4の2500㏄にモーターの力が加わることで低速トルクが太く3000㏄の車に乗っている感じで、加速については200系V6の2500㏄より確実に速くなっている。210系は高速域の直進安定性が抜群に良く、その時に感じる金属の板を組み合わせたというより、金属の塊を削り出したかのような剛性感は、メルセデスには及ばないもののそれに近いレベルに仕上げられている。因みに走りの質感はメルセデスよりBMWに近い感じである。
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高速道路でパワーモードにしてアクセルを踏むと、昔乗っていた自然吸気の930型ポルシェ911より速い感じがする。しかも、ポルシェのように掌に汗を掻きながらでなく、クラウンは余裕で高速走行が可能である。
200系の燃費は一般道街乗りで8~9km/Lで、210系ハイブリッドは乗り方で大きく変わり12~26km/L。高速道では200系が12~16km、210系ハイブリッドが16~21km/L。通勤等の一般的な使い方で、210系ハイブリッドは200系より1.5~1.7倍燃費が良いという感じである。エンジンが大きくボディが重い車にしては200系、210系共に好燃費と言えるだろう。

210系の話が大半になったが200系は故障皆無で運転しやすく、特に後期型は大変良い車で、これから中古車を買っても10年は余裕で乗れそうな車である。ドイツ車乗りだった自分に日本のクラウンがここまで良い車だと思い知らされた車であった。
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現行車に買える予算内で他に乗りたい車もないので、事故等で廃車にならない限り210系クラウンに末永く乗るつもりでいる。小生は200系を買う以前から210系のロイヤルサルーンが欲しかった人なので、今回の乗り換えの満足度は非常に高い。
車の好みや適性は人其々。小生がセダンを選ぶ理由は自分の生活スタイルやドライビングスタイルに合うからで、キャンプ・車内泊が好きならSUVに乗ればいいし、家族が多ければミニバンに乗ればいい。
自分好みの車と出会って自分と縁のあった車を一番好きでいられると日々が楽しいものになる。車は自分の命を預ける道具でもある。日頃から内外装を綺麗に保って車に愛情を注ぐと、事故にも遭わない素敵なカーライフが送れるのではないかと思う。