今回は腕時計の知識や関心がない人で、実用品として昔ながらの3針腕時計を買おうと考えている人にお勧めの製品を紹介しながら、スタンダードなクオーツ時計が1970年代から進歩していない話をしてみようと思う。

最近はスマホやスマートウォッチもあるし、昭和然とした3針時計は時代遅れの感も無きにしも非ずであるが、時計の基本形なので今後も無くならないと思う。一方で腕時計をオシャレと思う反面、近年は腕に時計を巻いているのが野暮ったいと思うこともある。

さて、そんな腕時計であるが、腕時計が趣味でない人にお勧めする安価な機種を挙げてみよう。
ALBAやCASIOを選べば更に安い製品もあるが、1本だけ買うなら国産ブランドの雄であるセイコーの腕時計が、後々気分的に不満が出ないと思う。
セイコーは総じて他社製品より割高で割引率も少ないが、中には良心的な価格の製品もある。
今回はベーシックな時計で、便利な曜日と日付の表示機能(デイデイト)があるものを選んでみた。

お勧めはセイコーSCX007、SCX011、SCX123で、1万円前後で購入できる。
no title
電波時計は価格も高いし面倒なことになる可能性があるので、一般的には電池交換式が良いと思う。
シチズンブランドは全てエコドライブとなり電池式はラインナップされなくなった。その点、セイコーは昭和の頃から変わらぬ腕時計を作り続けている保守的なメーカーである。
この製品をお勧めする1番の理由に、電池寿命が5年と長いことがある。他にも裏蓋が安物に多い不便な嵌め込み式ではなくスクリュー式であることや、クラスプ(留め具)に微調整穴が多くあってブレスレットを腕に馴染ませることができる利便性等、下手な高級時計より優れている点もある。
ca937946-23b7-4d3f-a9fc-20219cff934c
腕時計通の人はガラスの素材や板巻きベルトが不満ポイントになるが、時間さえ分かればいいという人は気にならないだろう。腕時計などにお金をかけないほうが賢いと思う。かと言って、チープ過ぎる時計は恥ずかしいという人には、,SEIKOのロゴを冠するこの時計は良い選択となるだろう。
現在セイコーのホームページにはラインナップされていないが、ネットショップやホームセンターで普通に売られている。

この時計を見ていて自動車やカメラと違って、腕時計は昭和の頃から殆ど進歩していないなと思った。進歩していないどころか同じである。言い方を変えれば、それだけ信頼性が高い工業製品となる。
驚くことに、このクラスの腕時計は昭和の頃から価格もあまり変わっていない。これは奇跡だと思う。
参考までに、1970年の機械式グランドセイコーの価格は3万7千円であったが、現在のグランドセイコーは機種にもよるが20倍位になっている。

どうせ買うなら少し高くてもいいので、よりセイコーらしい腕時計がいいと思うなら、下のSBTHシリーズをお勧めする。小生もシャンパンゴールドとブラックの2本を所有している。
1
価格は2万5千円弱で少し高くなるが、マニアにも好きな人が多いセイコーの王道時計である。
このSBTHは正に腕時計のお手本であり、こういう製品をラインナップするセイコーは流石だなと思う。
腕時計の適正価格は高くてもこんなものだろう。これより高価な腕時計は趣味の世界になる。

この時計も風防がサファイアになったくらいで、1970年代後半のセイコークオーツと変わらない。当時の腕時計はコストが掛けられており工作技術も高い。クオーツ(水晶)の性能は今も昔も同じだから進歩しようがないとは思うが、この手の腕時計は殆ど進歩していない。50年使く経って価格も同じくらいなのは先述したように奇跡だ。

約50年前のセイコータイプⅡ、現在も使っている人を見たことがある。
f06b42ea-31b0-404a-848c-ee6a7c9419e8
タイプⅡは当時2万4千円程度だった。現代のクォーツ時計と価格は変わらないが、当時の大卒初任給で換算すると現代の約6万円に相当する。タイプⅡは当時の廉価版であったが、SBTHが石数0個であるのに対し2個使われていて上質である。月差精度は±15秒で同じ、電池が減ると2秒運針になる等、機能も変わらない。SBTHはタイプⅡの現代版に相当すると考えられるが、1970年代に比べて人件費を始め何もかも高くなっているので、当時と同じ価格で売っていたらメーカーは生きていけない。なのでメーカーは利益を上げるために高価な時計を多くラインナップするようになった。
m45545093008_2
3万円までの腕時計は昭和の頃から価格凍結で、メーカーにとっては物価の上昇に呼応できない不良プロダクトなのだろう。なぜなら現在のSBTHを6万円で売ったら、上位の時計の価格を更に高く設定する必要が生じ、消費者から見たコスパが悪くなり利益率の高い上位の製品が売れなくなるからだ。
そんなことからメーカーは3万円までの腕時計を時代に合わせた値上げができずに現在に至っている。これは消費者にとっては極めて有利なことであり、小生がクォーツ時計は3万円までといつも言っている所以である。高価なクオーツ時計の原価は驚くほど安く、相対的にコスパが非常に悪い工業製品になる。

自動車は軽自動車と高級車では、乗り心地・装備・走力性能・安全性に大きな違いがある。靴も高い物と安い物では履き心地や耐久性に大きな違いがある。しかし、腕時計は安い物でも高級時計でも、機能的には時刻や日時を教えてくれるだけで差はない。しかも安い時計の精度が悪いということもない。
小生のように腕時計をアクセサリーとして着用する人は別として、単に実用品とする人は中途半端に高い腕時計に興味を持たず、安い腕時計を1本だけ持ち長く使用するのが合理的で健全だと思う。

お金は形あるものに使わず、形のない物(旅行やお付き合い等)に使ったほうが人生が豊かになります。