一般的に機械式時計が精度でクォーツ時計に勝ることは有り得ない。
クォーツの月差より機械式の日差が大きくなるケースも多いと思う。

腕時計を複数所有しているので1本だけを一か月使用することがなく、3日から長くても一週間でローテーションしている。そのためクォーツは動き続けるので月差が分かるが、機械式は使わないと止まってしまうため。日差は気になっても月差はあまり意識したことがない。

先月から一か月間、下のセイコー機械式時計を着用し続けてみた。
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土日に平置きする場合は止まる可能性があるので、日曜日に30回ほどリューズで追い巻きをして、平日は日中着用、夜間平置きで、どの程度の月差になるのか試してみた。
結果は+1秒ジャストであった。途中、-数秒の日もあったし+数秒の日もあったが、遅れたり進んだりしながら、ゴールは月差Ⅰ秒でクォーツに勝る精度で稼働している。
機械式としては驚異的な精度で、流石セイコーといったところだろうか?
-数秒の遅れは比較的運動量の多かった日の夕方、+数秒の進みは平置き時間が長かった時に確認できた。セイコーの機械式は着用で遅れ平置きで進む傾向がある。それは廉価版の6Rや4Rのムーブメントでもふり幅が大きいだけで同じである。6R等は30秒程度の遅れや進みも起こり得る。しかし、着用(遅れ)と平置き(進み)を上手く組み合わせると、4Rでも月差5秒以内に収まることもあり得るだろう。

下は所有した6Rや4Rのセイコー機械式時計。
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6Rや4R(特に6R)は着用時の遅れが大きくなることがあり、不安定で嫌になることもあったが、過去記事にも書いたようにセイコーは夜間等の平置き時の進みを考慮して、着用時に遅れるように設計しているのかもしれない。姿勢差が少なく日差が+1秒なら+1秒で一か月動き続ける時計が高精度の時計であると言え、所有している中ではデイトナやサブマリーナは比較的そのような傾向である。しかし日差が+1秒の高精度の時計も、一か月の月差は+30秒前後になってしまう(実用で支障はないが)。もしかしたらセイコーはそうなるのを避けるために、平置きで進んでしまう分を着用で遅らせて月差を少なくしているのだろうか?そうだとしたらセイコーのムーブメントは、一見不安定でダメに思えるかもしれないが、実用機として極めて優れていると言えるだろう。

所有したオリエントのバンビーノ。
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バンビーノは安価な機械式で、当たり外れがあり、多くは+10~15秒の日差であるが、中には+1~5秒以内で動くものもある。小生は裏蓋を開けて調整をするのが好きだったので、日差が大きい個体も調整して+5秒程度で動くようにしていた。姿勢差には比較的弱いがオリエントの技術は高く、基本遅れることはなく安定していた。しかし、日差+5秒で安定しているということは月差3分弱になってしまう。機械式で日差+10秒で安定しているなら優秀であるが、月差は5分程度になってしまう。日差+15秒なら月差は8分弱になって実用で使えない。勿論、途中で秒針を止めて進みを無くせば実用に耐えるので、クォーツ時計のように一か月間何もしなかった場合の話である。

下はオリエントスターとスポーツ系のオリエント。
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これ等のオリエントもバンビーノと同じ傾向であった。数日でローテ―ションしている分には、1日の中で遅れたり進んだりするセイコーより、オリエントのほうが安定して進んでくれるので気分よく使えていた。やはり進むのは良いが遅れるのは気分が良くない。

今回の一か月に亙るロングランの着用で、進むだけでは進み過ぎになるので、遅れることもあったほうが相殺できて良いのかなと思うに至った。またその相殺具合を日々確認するのが楽しくもある。但し、6Rは調整が悪かったり古くなると遅れ放題になるケースもあるようだ。
偶々もあるが、この一か月で+1秒の月差で落ち着いたセイコーの機械式は、クォーツより精度が高いという見方もできるだろう。セイコーの機械式の良さを実感できた一か月であった。
一年間このペースを維持できれば、機械式時計がブラスマイナス10秒以内の年差時計となる可能性があるかもしれない。機械式がクォーツより精度が高いとはおかしな話であるが、こういうことも起こり得る機械式時計は面白い。

【追記】
後で考えたら、この一カ月はGWの8連休があり、平置きしていた割合がかなり高い期間だったので、好成績であったのだと思われる。それがなかったらマイナス数秒かそれ以上の月差になったかもしれない。総じてセイコーのムーブメントは着用状態では遅れる方向で稼働する傾向である。特に6R系や4R系の廉価版は、ゼンマイが十分巻かれた状態で平置き時間を長くしなければ、クォーツ並みの月差で稼働させるのは難しいだろう。運動量が多いと更に遅れが大きくなると思われる。