セイコー SBPX145

日本標準時(JST)でチェックすると+1.5秒であった。5ヶ月で+1.5秒はかなり優秀なムーブメントと言える。5月はクォーツの精度に好都合な気温だと思う。経験から同じ機種でも当たり外れがあるので、自分のSBPXは運よく当たりを引けたようだ。
クォーツ時計は寒いと遅れがちで、特にスイス製クォーツムーブメントは寒さに弱い。日本製でも薄型ケースのものは非着用時に寒さに弱い傾向になる。また、電池の劣化で遅れることもある。クォーツも10年を過ぎると油の劣化等で遅れたり電池寿命が短くなることがあるので、そうなったらオーバーホールに出す必要がある。自分の経験ではシチズンのLighthouseが30年近く経過してもOHなしで正確に稼働していたが、その時計も30年を過ぎると電池寿命が短くなったり冬場に止まるようになった。OHに出すような時計でもないのでそのまま現役引退させた。

一方、過去にセイコーの新品でも遅れがちの物があった。機械式でも遅れる時計は嫌いであるがクォーツは尚更で、そのような時計は新品でもすぐに手放した。クォーツ時計で嫌になる時計は遅れる物と秒針とミニッツマーカーに目立つズレがある物。この2点のどちらかがあると即手放したくなり、逆にその2点がないクォーツ時計はお気に入りとなる。但し、遅れる時計はその時が冬であれば暖かくなるのを待って、或いは常時着用して(体温で温まる)精度を確認したほうがいい。寒い時期の遅れはそう気にしなくても良いが、大きく遅れる時計は残念ながら外れの可能性がある。グランドセイコーやザ・シチズンでは有り得ないが、安価なクォーツ時計ではセイコーやシチズンでも外れを引く可能性は起こり得る。機械式と違って歩度調整ができないので、現物確認できないネットでクォーツ時計を買う時は遅れる特性が無いことを祈るしか手はない。
下の SUR319P1 はデザインが好みの貴重な製品であったが、秒針が全域で大きくズレていたので購入後間もなく手放した。セイコーの 6N42 ムーブメントはどれもズレている印象がある。ムーブメントの特性なのか、海外生産のいい加減な組付けが原因なのかもしれない。

時計という製品の価値には、時間の精度を重視する「機能的価値」だけでなく、デザインや色や動きを観賞して楽しむ、或いはブランドが持つ歴史を感じる等の「情緒的価値」、自分のスタイルや価値観を表現する手段として使う「自己表現的価値」があり、ピラミッドを成すと言われている。
ロレックスを買う人は機能(性能)だけでなく、ステータスや名誉といった感情も一緒に買っているのかもしれない。小生のようにSBPX145やグランドセイコーのようなスタイルを好む人は、機能だけでなく日本の時計工業の歴史やそのストーリーを一緒に買っているのかもしれない。
本来、時計を見るという行為は時刻を知るためのものであるが、腕時計が趣味の人は情緒的魅力に満たされ、腕時計というオブジェそのものを眺めたりするものだが、そこには贅沢な時間が流れていると思う。

今回、自分の時計の精度(性能)が優れていることが確認できた。腕時計の土台となる価値は「機能的価値」で、自分の腕時計が正しい時間を刻む(高性能)という喜びの観点で「機能的価値」が「情緒的価値」を生み出す要素になり、ひいては「自己表現的価値」を醸成するものだと思う。
コメント
コメント一覧 (8)
買わされたというのが正しいかな?笑。自分が求めていた時計で完璧でした。
GSも持っていましたが普段使いには気になってしまい、仕事柄高価な時計は使用出来ないためこれしかないなと。良い出会いとなり感謝です。
月野 星也
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素晴らしい!そういうことができるんですね、いい情報です。
海外生産品は組付けのいい加減さが原因だったのが分かって嬉しいです。
このシリーズ好きなので、また買おうかな。
月野 星也
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月野 星也
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はい、趣味なので細かいことに拘っちゃいます、笑
月野 星也
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月野 星也
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長針のミニッツマーカーとのズレ、バックラッシュもありましたが、そんな安っぽさすら「味」として容認していて、全く気になりませんでした。
時計であって時計でないような、機能的価値よりも情緒的価値の方が大きい不思議な形をしたピラミッドだったのかな(笑)。
たとえ、最初の一本目がSBPX145だったとしても、時計好きとして遍歴を重ねてしまうんでしょうね…。
月野 星也
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