オリエントのカマスは半年ほど前に新型というか派生型が出て、これについて以前に書いたことがあるが、従来のカマスも併売されているので、正確には新型というより派生型の姉妹機となるのだろう。
ニックネームはKAMASUがMAKO2の進化版としてMAKO3とも呼ばれることもあるので、今回の派生型はMAKO4、またはRAY2の進化版でRAY3でも良いのかもしれない。しかし、長短針の形状やベルトを見るとMAKOでもRAYでもなくKAMASUそのものであり、ニックネームはKAMASU2が妥当であろう。
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色のバリエーションが幾種類かあるが、左の通称カマスグリーンを所有しているので、グリーンのカマスを上に並べてみた。価格は少し高くなったが実売価格は殆ど差がなく、現在、安いショップでは25,000前後で販売されている。カマスについての詳しいことは過去記事で書きまくっているので省くが、この価格帯では有り得ないほど機能が優れており、見た目も時計好きな人が眺めるのに耐えるクオリティを持っている。
個人的な好みでは、デイデイトが付いていることがカマスの魅力を大きく上げている。

さて、カマスの購入検討をしている人はカマスかカマス2(派生型)にするか、暫し悩むのではないだろうか?
機械は全く同じで、違いはデザインだけである。どこが変わったかというと、
・ダイアルがグラデーションになった。グリーンは少し鮮やかになり、より美しくなったように見える。
・12時位置のマーカーが三角形から台形になり、8ヶ所のインデックスが長方形から円形になり、夜光がより黄色がかったものになってクラシック感が増した。インデックスの質感も向上している。
・秒針先端にあるマスコットの赤色がなくなった。
・ケースサイドやリューズ平面部がポリュッシュ(鏡面)からサテン(艶消し)になった。
・ベゼル全周にあったミニッツマーカーが15分までだけになった。
・ベゼルの色が15分までと残り45分で色分けされた。
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全体的に、高級感が増して、より高品位で美しくなったという印象である。一方でカマスらしい個性が減じられて、よくある一般的なダイバーズのデザインになった。似たようなデザインでもインデックスの形状とグラーデーションになったことで随分印象が違う。カマスっぽい男らしいデザインの従来型か、洗練されて美しく高級感が増したカマス2か・・・。

洗練されたデザインになったカマス2
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カマスが好きな自分はどうかと言うと、カマス2は魅力的で欲しいと思うが、カマスと殆ど同じものである。
であるならば色違いのカマス2にすればいいのだろうが、買うならやはりグリーンにしたいので二の足を踏んでいる。ではカマスを手放してカマス2にするかと言うと、デザインでカマスのほうが好きな点もあるので、カマス2がカマスに対して絶対的優位にあるわけでもない。安いので2本所有してもいいが、所有本数をこれ以上増やしたくないのと、経験から似たようなものを2本持つと手放したくなる。そんなことで、意匠が洗練されたカマス2を凄く気に入っているし、気軽に買える値段なのだが買えないでいる。しかし、落ち着いた頃に購入するとは思う。

現在所有している機械式のスポーツ系ウオッチは3本で、中央がカマスグリーン。
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超安価なカマスはスイスの時計の中にあっても全然見劣りしない。この写真を見て分かるように、左のサブマリーナとカマス2はインデックス形状が似ているので、従来のカマスのほうが個性的で変化があっていいのだ。サブマリーナを持っていなければ、即効でカマス2を入手しただろう。

さて、カマスの日差は安定していて、概ね進む方向で出荷されており、遅れる個体はあまりないようだ。このムーブメントは大変優れたもので、丈夫な上に精度が高い。工場出荷時点で10秒強進んでいたものでも、上手く調整できれば日差5秒以内にするのが簡単なムーブメントである。
マニアックな話になるが、カマスのムーブメントはガッチリ作られていて、ヒゲゼンマイがヒゲ持ちにクサビ止めされている。1970年頃の機械式時計と違って、今頃の普及機はここが接着されている。セイコーの6Rや4Rもクサビ止めではなくコストダウンで接着されている。だから何だと言われても困るが、コストダウンが目立つ昨今、こんなところにもオリエントの真摯な企業体質を垣間見ることができる。
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余談になるが、カマスグリーンはグリーンサブマリーナのような緑色ではない。上の3本並べた写真では黒色に見えるし、ダイアルは光により暗緑色だったりコバルトブルーに輝くこともある。 ベゼルはかなり渋い色合いの緑色で、ダイアルについては緑色と言うより青緑色の ティール(teal)だと思う。
カマスグリーンのダイアル色を表現するのは難しい。敢えて言えば上の海の色のようで、青みがかった緑色ではなく、緑色がかった青色である。
海も夜は黒色に見えるので、光が少ないと黒色に見えるカマスのダイアルは、恰もカマスが生息する海の色を再現してるようで、カマスの中でもグリーンを選ぶ理由はそんなところにもある。

カマス唯一の欠点
欠点らしい欠点がない製品だが、唯一、弓カンとブレスのつなぎ目が気に入らない。上のロレックスのように、弓カンが凸スタイルでブレス先端を凹スタイルに変更してほしい。オリエントのブレス先端が凸スタイルのものは、例外なく弓カンの角がブレスに干渉し、ブレスの2ヶ所に傷が付いてしまうのだ。かつて所有したオリエントスターも同じで傷が即日付いていた。エンドピースを凸にするには無垢にする必要があるので、普及機ではコスト面から採用されない。凹であっても傷が付かないように作れると思うのだが、何故改良しないのか不思議である。カマス用の上質な無垢ブレスをタイコノートが販売していて、それは逆の凹凸で見栄えも良くなるので、気になる人は交換すればいいが、それなりの値段がする。
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あまり語られないカマスの魅力
カマスは安いのに傷の付かないサファイアガラスを持ち、20気圧防水というタフな時計である。
一般的に安価な製品は気軽に使えるようで、直ぐに傷が付くサファイアではないガラスと防水性に不安があり、案外タフな使用ができないものだ。一方でサファイアガラスを持ち防水性が高い高級時計は、高価であるという理由で大切にするあまり、タフな使い方をしにくく気軽に使えない傾向がある。例えばサブマリーナを所有していても、勿体ないので海には浸けられないとか。
その点、カマスはこのアンビバレント(安価とタフさ)が両立しているバランスのいい使える時計である。
使用する内にベゼルやケースやベルトは傷だらけになるかもしれないが、肝心の風防は無傷で高い防水機能により機械も無事であろう。傷の多いカマスは寧ろカッコいいと思う。