キングセイコーを入手して2カ月経った。
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グランドよりキングという名前がカッコいいなという程度のノリで入手したもので、50年前の機械ということもあって一抹の不安もあったが、これを手にしてから機械式で最も信頼できる主軸時計となっている。

オーバーホール済みだったからなのか機械は絶好調で日差は殆どなく0秒に近い1秒以内、無駄を削ぎ落した超シンプルなデザインも美しくて気に入っている。50年前に日本の機械式時計の技術は完成していたようで、この時代のメーカーはコストダウンなど考えず、完璧を目指して腕時計を作っていた。使うほうも買ったら一生使う、壊れたら修理して使う、そういう時代背景の中で作られたモノは出来がいい。

現在の低性能な4Rや6Rといった使い捨てムーブメントが積まれたプレサージュなどのガワ時計より、機械式の黄金期に作られた名機であるキングやグランドをオーバーホールして使うほうが遥かに満足度が高いと思う。
過去に琺瑯ダイヤルのプレサージュを所有したことがあるが、キングセイコーのほうが段違いに作りが良い。
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キングセイコーは時代を超えた実用機だと思う。元々は特別感のある44KSを狙っていたが、小生は第二精工舎より諏訪精工舎が好きなので、諏訪が作ったキングセイコーである56KSを選択した。
グランドセイコーは知名度が高くブランド料で高価だが、キングセイコーは比較的安く手に入れられるのも魅力である。諏訪で作られたものはキングもグランドも中の機械は同じ。
これからKSを入手する人は、オーバーホール済みで外観も綺麗なものを根気強く探すといいだろう。個人的にはメダリオンのない56後期型をお勧めする。小生はデイト付きが好きだが、ノンデイトのほうが気楽に使えて耐久性の面から更に良いかもしれない。

当時のカタログ、自分のKSは左端のもの。
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自分の親の世代の機械式時計が、50年の時を経て自分の主軸腕時計になるとは、時空を超えた不思議な感じがする。ノスタルジーではなく、時の経過の切なさという無常を払拭してくれるポジティブな感覚である。
「山のあなたの空遠く、幸(さいわい)住むと人のいう・・・」、カール・ブッセの幸を見つけた感じである。
キングセイコーを所有すると、現代の中途半端なセイコー製機械式時計を欲しいとは思わなくなったので、金銭面でも幸せなれるかもしれない。