キングセイコー 5625 を入手した。
裏蓋の刻印を見ると1973年4月製・・・ということは48.5年前、半世紀も前の腕時計。

オーバーホールしたばかりの程度が非常に良い56KS。
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ケース、ガラス、ベゼル、裏蓋に傷ひとつなく、針やインデックス、リューズ等も経年を全く感じないし、各接合部に汚れやサビがなくピカピカで、知らない人が見たら新品に見えるだろう。
約50年前の腕時計がこんなに美しい姿で現在に存在していることに感動すら覚える。
唯一経年を感じるのは文字盤の色。元はシルバーだと思うが、むらなく日焼けして美しいシャンパンゴールドになっていることが気に入って購入の決め手になった。
ここまで綺麗に日焼けするのは珍しいと思う。
こういう文字盤が美しくエイジングした古い時計を一本ぐらいは所有してみたいと思っていた。
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1967年の44GSで確立されたセイコースタイルの二次曲面の鏡面仕上げが56KSの魅力で、また、文字盤外周の高さをもたせた見返しが反射することによって、文字盤が光り輝くように作られている。シンプルで洗練されたフォルムは現代でも古めかしさを感じさせない。
シャープなフォルムが格好良く、実物はキングの名に恥じないオーラをそこはかとなく放つ。

セイコーらしいデザインの、自動巻きハイビートモデルの56KS(型式5625-7111)
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6時位置のマークから諏訪精工舎製であることが分かる。
グランドセイコーは諏訪精工舎(現セイコーエプソン)、キングセイコーは第二精工舎(現セイコーインスツル)で作られていたが、このモデルからキングセイコーも諏訪精工舎で作られるようになった。

Cal,5625、自動巻き、8振動のハイビートモデル。
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キングセイコーには幾つか世代があるが、56KSから自動巻きになり実用性が高くなった。
ETAのように緩急針の歩度調整ネジが付いているのは嬉しい。現代のセイコーの廉価版である4Rや6Rのように緩急針を直接触るタイプは、微調整が難しい上に手が滑って壊してしまうこともある。
Cal,5625は、後にGSにも搭載されることになったSEIKO史上最大販売数を誇るムーブメントである。
現在のセイコーの普及機に組み込まれている使い捨ての4Rや6Rに比べ作りが良く、オーバーホールしながら50年経過した今も日差5秒以内と高精度で稼働する。
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36mm径のケースは低重心な薄型で軽く、驚くほど腕によく馴染む。
56KSは最後のキングセイコーで、すぐにクォーツの時代になったため、初めて時計店にオーバーホールに持って行ったらクォーツ時計の購入を勧められて手放した人が多いと思う。
第三世代のハイビートキングセイコーは流通量が多く、グランドセイコーと同一機械を搭載しながらも比較的安価に流通している。
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文字盤6時位置にはキングセイコーを意味するKSのロゴが配され、その直下にはHI-BEATの印字が刻まれ、更にその直下に諏訪精工舎のマークがある。

手巻き:リューズ通常位置で、上方向回転。
時刻合わせ:リューズ2段引きで、下方向回転(2段引きの状態で、秒針が止まる)。
日付早送り:リューズ1段引きで、下方向回転(午前6時位置辺りで早送りするのは約束事)。

キングセイコーを買うならセカンドモデル(44KSK)と思っていたが、使い勝手や信頼性を重視すると、完成度の高い最終型の56KSを選んで良かったと思っている。
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50年近くも前の腕時計がこんなに美しく、また現在の機械式時計以上に正確に時を刻んでいる。
初めて親に買ってもらった時計より古い時計を、今になって使うとは思ってもいなかった。
現在の時計よりいいかもしれない・・・今でも昔のGSやKSが人気のある理由を垣間見た気がする。

長い歴史と伝統が、ゼンマイを巻き上げると、ゆるやかに動き始め、ケースに耳を近づけるとチッチッと機械式らしく心地良い音が響いてくる。
セイコーの技術者が真剣に時計を作っていた時代の高級機であるキングセイコーが、機械式腕時計の真の魅力を伝えてくれ、手に馴染んだ良い工業製品を、手入れをし面倒を見ながら末長く使いたくなる。

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