このところ1年で最も寒い時期のようで、大寒波とか大雪とかがニュースになっている。

クォーツ時計が僅かに遅れるようになった。

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上はフレデリック コンスタント クラシック クロノグラフ FC-292MC4P6 で、クォーツの精度が高く厳寒期以外は年差時計のような高精度で稼働するが、最近の寒さで着用せずに置いていたら2日で1秒程遅れるようになった。
5℃以下になるような厳寒時になると、日常の使用に全く問題ないが僅かに遅れる。それ以上の気温だと遅れることはなく、気温が高いと逆にごく僅かに進む傾向になるようだ。

クォーツ時計には 32.768kHz の水晶発振子が使われているが、この水晶振動子は25℃付近を中心としてそれより温度が高くても低くても振動数が少なくなる(下図参照)。
その為、25℃以外の場所に置いておくと時計は遅れる事になる。

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時計用 32768kHzの音叉型水晶振動子の周波数温度特性は、常温点(+25℃±5℃ )を基準にしてカーブを描く。
温度が常温から離れれば離れるほど高温側・低温側に関わらず周波数が低くなる。
15℃から35℃の間なら大きな影響はないが、最近のように0℃とかになると少し遅れるようになる。

クォーツ時計が正確に動作するには時計の内部温度が25℃近辺で安定している事が必要と言う事になるが、これは腕につけた場合の時計の内部温度にも近く、クオーツ腕時計は腕に装着することにより、より正確に動作する条件が整うと言える。

実験をしてみた。
クォーツ時計を腕に着けたまま寝て24時間を過ごしてみた。
結果→遅れなかった。ヒトの体温でクオーツの温度がある程度一定に保たれたからと思われる。

その他にも古い時計なら油の劣化も考えられる。この場合は「着用していると体温で暖まり正常、外していると冷えて遅れる」という現象が起こりやすい。寒い時期は劣化した油は粘りを持つようになるからだ。

寒いと電池の能力も落ち駆動力が弱くなるので、電池の消耗で遅れることもある。

何れにしろ寒いとクォーツ時計は遅れるようだ。
まぁ2日に1秒程度遅れたところで困ることは何もないが・・・。

因みにクォーツは25℃を基準にして、それより低くても高くても理論的には遅れるのだが、機械式の場合は、ムーブメントに使用される金属の熱膨張の影響で、暑いと遅れ、寒いと進む傾向がある。